このシリーズでは、ペコラビールのちょっとしたこだわりを紹介していきます。
第1回目は、ビールの象徴である“泡”についてです。
ペコラビールで提供しているクラフトビールは、可能な限り泡をのせないようにご提供しています。
一方で、大手のビールのCMでは積極的に泡を強調した宣伝がなされています。そのため、ご来店いただいたお客様からは「泡がのってないのはなぜですか?」と質問をいただくことがあります。
今回はその疑問に少しだけお答えできればと思います。
ビールに泡をのせるとどうなるか?
注ぎ方にもよりますが、二層の美しい外観になるだけでなく、口当たりがクリーミーになり、モルトやホップの風味が強調されます。
繊細な味わいが特徴の大手のヨーロピアンラガーは、泡をつけることで僅かではありますが、リッチな味わいに変化します。
一方でIPAやスタウトなどいわゆるクラフトビールと認知されているものは、泡を立てなくてもモルトやホップ、そして酵母由来の香りが強く、甘味や苦味も強調されているビアスタイルが多い傾向にあります。
こういったビアスタイルに泡をのせて提供すると、元々あるはっきりとした特徴がさらに引き立ってしまい、醸造家の意図していた風味を崩してしまう可能性があるのです。
栓を開けたばかりのコーラはゴクゴクと飲めますが、炭酸が抜けたものは甘く飲み込みずらさを感じてしまいますよね。
樽の中のビールの炭酸ガス溶解度を可能な限り変化させずグラスに移送し、醸造家が設計した本来の味わいを楽んでいただきたい。そう考えペコラビールでは、一部のビアスタイルを除き、できるだけ泡をのせないようにビールをお注ぎしています。
炭酸の抜き方や泡のきめ細かさなど、注ぎ方でも味わいが大きく変化する。ビールの世界は奥が本当に深いですね。
以上、ビールの泡についてでした。
次回はグラスの洗浄についてご紹介できればと思います。