ペコラビールの醸造ストーリー #008 ホップのはなし

このシリーズでは、ペコラビールの開店1周年(2024年1月28日)を記念して1stバッチから12thバッチ(12thバッチのリリースはこれから)までを振り返る記事を連載中です。製造過程やビールへの想いなどをご紹介しています。

開店1周年イベントの開催日は2025年1月31日(金)です
2025年1月31日(金)ペコラビール開店1周年イベント開催

第8回目は「#008 ホップのはなし」です。

この8thバッチは、横浜市青葉区「AOBA HOP GARDEN」さんとのコラボビールです。青葉区で育てた生ホップを一部使用しています。

AOBA HOP GARDENさんについてはこちら↓

https://www.instagram.com/aobahopgarden

神奈川県麻生区のお隣である横浜市青葉区で同じくホップを育てているのが、AOBA HOP GARDENさん。彼女たちからお声がけいただき、今回このコラボが生まれました。

このホップのはなしは、フレッシュホップ由来のフローラル&シトラシーな爽やかな香りがするビールです。すっきりとした飲み心地で、がつんと苦めな仕上がりになりました。

Malt:Pale Malt, Cara, Dextrin
Hop:Columbus, Cryo Cascade, Cryo Idaho7, Fresh Hop Hallertau, Fresh Hop Cascade
Yeast:Verdant IPA

ペレットのCryoアイダホ7とCryoカスケードをワールプールホッピングとして使用し、シトラシーなフレーバーの土台を用意しました。AOBA HOP GARDENさんが育てた生のカスケードとハラタウはドライホッピングに使用。今回のフレッシュホップは特にハラタウの香りがとてもよく出ていて、ノーブルホップらしい花のようなフローラルな香りが前面に出たIPAになりました。

以下はAOBA HOP GARDENさんのストーリーです。

2024年早春。私たちのホップをめぐる旅がはじまりました。なだらか丘を望む、小さな畑に植えた6本のホップの苗。

栄養たっぷりの土と豊かな陽光に育まれ、初夏には小さな毛花(けばな)を咲かせました。

冷涼な気候を好むとされるホップ。夏の暑さなど、まだまだ安心できません。心配をよそに、夏至を迎える頃には無事に毬花(まりばな)へと成長。

猛暑のなかでぐんぐん弦を伸ばすホップたち。弦の誘引や除草に追われ、私たちはあわや熱中症のピンチ。ホップのたくましさに驚き、成長を喜び、見守るのでした。

なぜ、私たちはホップ栽培に取り組むのでしょうか。

「ビール好き」は理由のひとつ。行動を起こさずにいられなかった大きな目標は「将来の子どもたちの働く場所、生活の場所をつくること」。

小学校の特別支援学級に通う保護者として知り合った私たちは、会話を重ねるうちに、ママ友を越えた、子どもたちの将来への不安も気がねなく話せる仲間になりました。

ある日、「あおば小麦」を使用したビールの話題から、「ホップ」というキーワードが飛び出したのです。私たちのもうひとつの共通項ともいえるビール。その原料となるホップを栽培して、地元産のクラフトビールをつくれたら。その仕事を通じて、誰もが地域で当たり前に暮らせる場所をつくれたら。心に希望の光がさした瞬間でした。

2023年の春には、ベランダでホップ栽培を試験的にスタート。この時に、ペコラビールの福澤さんとの出会いがありました。香りとその造形に魅了された初めてのホップ収穫、農地を提供して下さった地主さん、多岐に渡りアドバイスを賜った大先輩との出会い。すべての地域でのご縁が、今回の『ホップのはなし』誕生ストーリーを織り成しています。これから、どんな物語が紡がれていくのでしょうか。景色を味わいながら、歩を進めていきます。





突然ですが、醸造家の仕事とは何だと思いますか?

いろんな考え方がありますが、酵母が快適に発酵できる最適な環境を整えることはその一つだと考えます。酵母の役割は、与えられた環境の中で糖をアルコールと二酸化炭素に分解することです。

しかし、その環境づくりには細かな配慮が求められます。まず発酵タンクは徹底的に洗浄・殺菌し、衛生的な状態を保つことは重要です。仕込水のミネラル調整や発酵性糖と非発酵性糖の比率のバランスを考え、不足がないように整えなければなりません。

もし栄養が足りなかったり温度が急激に変化したりすれば、酵母は不快になり、望ましくない香り成分を生み出してしまいます。適切なタイミングで沈殿した古い酵母を取り除いてあげなければ、ホップなどの香り成分を吸着させてしまいます。発酵管理は非常にデリケートで、多くの手間と時間がかかる仕事です。

一方で、ホップの園芸でも「土づくり」という環境づくりが何より大切です。時にはつるを間引く必要がありますし、どの方向に伸びていくかは誘引紐とホップ次第です。

「育てる」とは環境を整えたうえで一歩引き、適切な方向に進むよう静かに見守ること。そして、道を外しそうになったときにそっと手を差し伸べることだと思います。

今回のAOBA HOP GARDENさんとの取り組みや一緒にビールをつくった経験が、子どもたちの未来を支える豊かな環境となり、その中で新たな物語が紡がれていくことを願っています。

商品ページはこちら↓

#008 ホップのはなし

以上、「#008 ホップのはなし」についての振り返りでした。

次回の記事もお楽しみに!

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